<W解説>北朝鮮・金総書記の娘、ジュエさんは第2子ではなく第1子?揺らぎ始めた、1人目の子は「男児」説(画像提供:wowkorea)
<W解説>北朝鮮・金総書記の娘、ジュエさんは第2子ではなく第1子?揺らぎ始めた、1人目の子は「男児」説(画像提供:wowkorea)
韓国政府系のシンクタンク・統一研究院のコ・ユファン院長が先月26日、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記の第2子とされる娘のジュエさんについて、「個人的には第1子の可能性が高いとみている。後継者の候補に含まれているとみている」との見解を示した。ジュエさんをめぐっては、昨年11月に、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行った際、金総書記の視察に付き添う形で初めて公の場に姿を見せた。北朝鮮メディアは当時、「『愛するお子様』が同行した」などと報じた。その後もジュエさんは度々公の場に登場。韓国の情報機関、国家情報院はジュエさんについて、金総書記の第2子との見方を示している。

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金総書記はリ・ソルジュ(李雪主)夫人と2009年に結婚し、2人の間には3人の子供がいるとされ、これまで、第1子は2010年に誕生した男の子、第2子は2013年に生まれた女の子、第3子は性別不明だが2017年に誕生したとされてきた。

金総書記の第2子について、2013年に北朝鮮を訪問した米プロバスケットボール(NBA)の元スター選手、デニス・ロッドマン氏はかつて、金総書記の娘の名は「ジュエ」だと言及している。

ジュエさんは昨年11月、北朝鮮がICBMを発射した際に初めて確認された。北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙、労働新聞は発射の翌日、金総書記が「愛するお子様とご夫人とともに科学者や戦闘員たちを鼓舞してくださった」とし、発射に立ち会った金総書記に同行するジュエさんの写真を掲載した。北朝鮮のメディアが金総書記の子供を公式に報じたのはこの時が初めてだった。写真からは白いダウンコート姿のジュエさんが金総書記と手をつなぎ、発射台付き車両(TFL)に搭載されたミサイルを視察する様子や、金総書記と李夫人の間に立つ様子が確認できた。発射時も金総書記の横でミサイルの上昇を見守った。

ジュエさんはその後も、首都・ピョンヤン(平壌)中心部のキム・イルソン(金日成)広場で行われた朝鮮人民軍の創設75年の軍事パレードや、金総書記のミサイル発射視察などに金総書記に付き添う形で度々公の場に登場。最近では、先月、軍事偵察衛星の金総書記による視察にも姿を見せた。

ジュエさんが公の場に頻繁に登場しているのは、金総書記の祖父、キム・イルソン(金日成)主席の直系を示す「ペクトゥ(白頭)血統」の正当性を示す狙いがあるとみられている。

ジュエさんはこれまで、金総書記の第2子との見方が有力だった。しかし、韓国政府系のシンクタンク、統一研究院のコ・ユファン院長は先月26日、記者団に対し、ジュエさんについて第1子の可能性が高いとの見方を示した。また、金総書記がスイスに留学中、同級生だったジョエル・ミカエロ氏は先月24日、米ラジオ・フリー・アジアの電話インタビューに応じ、金総書記から娘のことは聞いたことはあるが、息子については全く聞いていないと証言した。ミカエロ氏は金総書記が政権の座に就いた年の2012年7月と2013年4月に2度にわたって金総書記に招待され、訪朝している。2012年の訪朝時には金総書記と李夫人と会い、金総書記から夫人が妊娠していることを聞かされたという。翌2013年の訪朝時には、金総書記から「妻が娘を産んだ」との話があったという。

そもそも、これまで金総書記の第1子が男児と報じられてきたのは、韓国の国家情報院が第1子についてほぼ断定して「男児」としてきたことによるところが大きい。今年3月に開かれた国会情報委員会でも「第1子は息子と把握している」と報告した。2010年当時に得ていた人的情報と外国情報機関による情報との一致を根拠としているという。

しかし、前述のように、ここにきてその定説を崩す見解が相次いで発せられる事態となっている。韓国紙の朝鮮日報によると、韓国のある政府高官も先月、私見と前置きした上で第1子はジュエさんではなく別にいるのか、いるとすれば息子なのかどうか定かではないと述べた。

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