キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
韓国のケーブルテレビ局、チャンネルAが今月8日までに報じたところによると、欧州在住の北朝鮮の参事官クラスの外交官が、家族とともに亡命した。一家は現在、韓国政府が保護している。欧州では最近、他にも貿易駐在員らが亡命しており、チャンネルAは、その数は40人に迫ると伝えている。
また、米政府系メディア「ラジオ自由アジア」(RFA)が今月6日(現地時間)に伝えたところによると、ロシアのウラジオストクに駐在する北朝鮮外交官の家族が4日から行方不明になっており、脱北した可能性もある。北朝鮮総領事館に派遣されている貿易代表部所属の職員の妻と息子だといい、2人は4日、総領事館からタクシーに乗り、近くの通りで降りた後に連絡が途絶えた。夫は2人と行動を共にしていないという。北朝鮮総領事館はロシア当局に、2人が行方不明になっていると伝え、関連内容が失踪リストに掲載された。2人は失踪前に数か月間、軟禁状態にあったとされ、週に1日外出が許可される時間を利用して姿を消したという。
韓国紙の東亜日報は「欧州で働く北朝鮮外交官の脱北や亡命のニュースが表面化した背景には、国境再開放の兆しが大きく影響している」と指摘。「これまで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために国境を封鎖していた北朝鮮が、航空路線の再開、中朝国境地域の観光などで活気を取り戻したため、長期間海外に出ていた『労働者』がまず呼び戻される可能性が高くなったからだ」と解説した。ある北朝鮮の消息筋は同紙の取材に「外国に出ていた中間幹部級の官僚たちは、改革を期待していたキム・ジョンウン(金正恩)政権に対して大きな不満を感じ、帰国すると子供の未来が暗いことから、脱北を決意する傾向にある」と明かした。
東亜大学のカン・ドンワン教授もRFA の取材に対し、4日から行方不明になっている、前述したウラジオストク駐在の北朝鮮外交官の家族について、同様の見方を示した。カン教授は「ロシアでは、北朝鮮の国境が開放されてロシアと北朝鮮の航空便が再開されるとのうわさが広まっている」とし「北朝鮮の労働者や外交官の家族は北朝鮮に戻る可能性が高いが、仮に脱北したのだとしたら、北朝鮮を抜け出すチャンスは今しかないと判断した可能性がある」と指摘した。
こうした中、韓国の公共放送KBSは「尹政権の発足から1年の間に、かつて北朝鮮のエリートだった脱北者が韓国政府傘下の機関などに登用される事例が急増したことが分かった」と報じた。統一部と国家安保戦略研究院によると、尹政権が発足した昨年5月以降、政府傘下の委員会などに少なくとも16人のエリート脱北者が登用されたという。このうち7人は国家安保戦略研究院が今年に入って採用した。
韓国政府は南北統一政策や対北朝鮮政策の策定において、採用したエリート脱北者に北朝鮮情勢の分析などを担わせているという。国家安保戦略研究院の関係者はKBSの取材に「エリート脱北者は、北朝鮮メディアの報道について紙面の配置を見ただけでメッセージを読み取ったり、隠された真意を解釈したりする能力に長けている」とし、「今後も脱北者を採用する」と話した。
韓国はこのほど、国連安全保障理事会の非常任理事国に選ばれた。非常任理事国の日本、常任理事国の米国と共に、北朝鮮への圧力を強める構えだ。
東亜日報は北朝鮮の外交官らの亡命が相次いでいることに「韓国が安全保障理事会の対北朝鮮制裁に積極的に参加したことで、北朝鮮内部の経済難が深刻化し、体制の矛盾が浮き彫りになったことも理由として作用したとの分析もある」と伝えた。韓国政府関係者は同紙の取材に「金正恩政権発足後、北朝鮮のエリート層と住民が抱いていた(経済発展などに対する)期待が満たされず、少しずつ北朝鮮の体制に対する期待を捨て、離反現象が現れている兆候がある」と分析した。
Copyrights(C)wowkorea.jp 3