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北朝鮮「一心団結」強化を宣言 脱北者増加など体制動揺意識か
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は19日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が出席する中、党中央委員会総会が16日から18日まで開催されたと報じた。同通信によると総会では「一心団結」を守るための事業を強力に展開することが強調されたという。 統制を強化するという強い意思を示したものと受け止められる。北朝鮮から脱出する住民が増加するなど体制の維持を損なう兆しが内部で観測されるなか、体制の動揺を懸念して打ち出した措置の可能性があり注目される。 また総会では、幹部らに対する統制・監視などを担う党書記、金在龍(キム・ジェリョン)氏の出席が確認されなかった。規律の乱れを巡り、責任を問われた可能性もあり、このような解釈を裏付ける一因となっている。 特に最近、外交官や駐在員を中心に脱北の動きが相次いで捉えられ、北朝鮮当局が危機意識を持っているとの分析が出ている。 今月初めには、ロシアのウラジオストクに駐在する北朝鮮総領事館の職員の家族2人が行方不明になり、欧州に駐在する北朝鮮外交官も脱北したと報じられた。 先月には北朝鮮住民が漁船に乗って朝鮮半島西側の黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越え、韓国側に入った事件もあった。 韓国政府は、北朝鮮が新型コロナウイルス対策の統制を緩和すれば、今後脱北者が増える可能性があるとみて、備えている。 統一研究院の洪珉(ホン・ミン)北朝鮮研究室長は「最近の海外外交官の離脱行為や内部での一部の動揺などに対して強力な治安・安全・司法的対応をするという趣旨」とし「今後、下半期に強力に保衛機関(秘密警察) などを動員し、社会体制の維持に向け取り締まりを強化する動きがみられる可能性がある」と指摘した。 北朝鮮は今年1月の最高人民会議(国会に相当)で「平壌文化語保護法」を採択。韓国風の言葉遣いや外来語が広まっていることを警戒し、北朝鮮の標準語である平壌語以外の使用を禁じた。2020年には「反動思想文化排撃法」を制定し、韓国のドラマなどを流布すれば最高で死刑とするなど取り締まりを強化した。