韓国の脱北者団体が北朝鮮に反体制ビラ　朝鮮戦争開戦日に合わせ

【ソウル聯合ニュース】韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」は25日夜、北朝鮮に近い北部の京畿道金浦市から北朝鮮に向けて、金正恩（キム・ジョンウン）体制を批判するビラ20万枚とマスク1万枚、解熱鎮痛剤、小冊子を20個の大型風船にくくりつけて飛ばした。同団体の朴相学（パク・サンハク）代表が26日、聯合ニュースに対し明らかにした。

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　25日は朝鮮戦争の開戦から73年となる日だった。風船には金正恩国務委員長（朝鮮労働党総書記）の写真の下に「73年前、祖父（金日成＝キム・イルソン）は南朝鮮（韓国）に攻め入ったが、私はいつする？」と書いた懸垂幕をつり下げた。

　自由北韓運動連合は昨年10月と今年5月にも、大型風船を使ってビラや医薬品などを北朝鮮に飛ばした。

　韓国政府は南北関係への影響を考慮し、国内の団体に北朝鮮へのビラ散布を自制するよう求めてきた。南北関係発展に関する法は、北朝鮮に向けてビラを散布した人に3年以下の懲役または3000万ウォン（約329万円）以下の罰金を科すと定めている。

　前政権期の2020年、統一部は自由北韓運動連合によるビラ散布が南北境界地域の住民の生命と安全を脅かし朝鮮半島の緊張を招くとして、同団体の設立許可を取り消した。団体は統一部長官を相手取り処分の取り消しを求める訴訟を起こしたが、一・二審で敗訴。だが、大法院（最高裁）は今年4月、二審判決を破棄し、審理をソウル高裁に差し戻した。