統一相候補に金暎浩氏　保守系の国際政治専門家＝韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は29日、南北関係を担当する統一部長官候補に金暎浩（キム・ヨンホ）誠信女子大教授（63）を指名した。金氏は2月から統一部長官の諮問組織である統一未来企画委員会の委員長を務め、尹政権の南北統一の新たな方向性を示す「新統一未来構想」（仮称）をまとめてきた国際政治専門家だ。

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金氏は1980年代後半まで社会科学専門出版社の代表として、旧ソ連の共産主義哲学書などを出版した左派系の知識人だった。「不穏」な本を出版したとして87年、国家保安法違反の罪で10か月間服役したこともある。

　米国に留学後、民間シンクタンク・世宗研究所の常任客員研究委員などを経て99年に誠信女子大政治外交学科の教授に就いた。2005年に保守系の団体で活動するなど政治的スタンスが変わり、11年には保守系の李明博（イ・ミョンバク）政権で統一秘書官に起用され、12～13年に外交部の人権大使を務めた。18年から動画投稿サイト「ユーチューブ」のチャンネルを運営し、対北朝鮮や南北統一政策、外交・安全保障、国際政治などの問題について意見を発信している。

　金氏は保守系メディアに寄稿し、「金正恩（キム・ジョンウン）政権打倒」「北の体制破壊」など強硬な立場を示し、歴代保守系政権の統一部長官と比べても「タカ派」との指摘がある。一方、北朝鮮との対話にこだわらないなど南北関係の再確立を重視するほか、北朝鮮の人権問題を積極的に提起しており、尹政権の対北朝鮮政策を履行できる適任者との評価もある。