【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(
キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は10日、米空軍の戦略偵察機が同日未明に北朝鮮の排他的経済水域(EEZ)上空を侵犯したと主張する談話を朝鮮中央通信を通じて発表した。 与正氏は談話で、同日午前5時ごろから米空軍の戦略偵察機が、北朝鮮が主張する朝鮮半島東の海上軍事境界線を越えて経済水域上空を侵犯し、北朝鮮の東部地域を偵察したと主張した。 北朝鮮空軍の出撃を受けて退却した米空軍偵察機は8時50分ごろに再び海上軍事境界線を侵犯して偵察するという「厳重な軍事的挑発」を行ったとし、「すでに米軍側に強力な警告を送った」と説明した。 また「米国のスパイ飛行機が侵犯したりするわが経済水域上空、問題の20~40キロの区間で最後には衝撃的な事件が発生するだろう」と警告。「再び経済水域を侵犯する時には明確かつ断固とした行動で対応することを繰り返し警告する」とした。 「20~40キロの区間」とは2018年の南北軍事合意で南北軍事境界線から西部地域は20キロ、東部地域は40キロ以内の上空で偵察機や戦闘機の飛行を禁じたことを念頭に置いたものとの見方が出ている。 また、国家の主権が及ぶ領海は海岸線から12カイリ(約22キロ)で、漁業や資源開発などの権利を持つEEZは200カイリ(約370キロ)とは異なる概念であり、談話は的外れな主張との指摘もある。 これに先立ち北朝鮮の国防省はこの日、米空軍の偵察機RC135とU2S、無人偵察機RQ4Bが朝鮮半島東側の東海と西側の黄海上空を飛行し、偵察行為を行って北朝鮮の領空を侵犯したと主張していた。これに対し韓国軍合同参謀本部は「虚偽の事実を主張し、緊張を助長する行為を中断することを厳重に促す」と否定する声明を出した。「米空中監視偵察資産の朝鮮半島周辺飛行は通常の偵察活動」だとして、「領空を侵犯したという北の主張は事実ではない」と強調した。
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