北朝鮮の朝鮮中央テレビは5月17日、金正恩国務委員長(中央)が前日に娘のジュエさんと共に衛星発射準備委員会の事業を視察し、「今後の行動計画」を承認したと報じた(同テレビの映像より)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
北朝鮮の朝鮮中央テレビは5月17日、金正恩国務委員長(中央)が前日に娘のジュエさんと共に衛星発射準備委員会の事業を視察し、「今後の行動計画」を承認したと報じた(同テレビの映像より)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の公開活動は上半期(1~6月)に30回と、ここ3年間で最も少なかった。ただ軍事分野の活動は増え、全体のほぼ半分を占めていることが18日、分かった。

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 韓国政府系シンクタンクの統一研究院によると、北朝鮮の党機関紙、労働新聞が伝えた今年上半期の金正恩氏の活動は30回だった。上半期で比較すると、世界的に新型コロナウイルス感染の拡大が始まった20年(21回)よりは多いものの、21年(37回)と22年(50回)を下回った。

 今年の活動を分野別にみると、軍事分野が13回で最も多く、着工式や完工式といった行事出席(5回)、記念写真撮影(4回)、政治会議と観覧(それぞれ3回)、参拝(2回)の順。

 軍事分野の活動回数は20年と21年それぞれの年間の回数をすでに上回っている。記念写真撮影のうち3回は朝鮮人民軍の正規軍創設記念のもので、これを合わせると公開活動の過半が軍事関連となる。

 金正恩政権初期、同氏の公開活動は多い年で227回に及んだが17年からは減少傾向で、20年は新型コロナの影響で55回に激減した。新型コロナの流行が下火になった22年は77回の活動が報じられ、再び増加するとも思われたが、今年上半期に公の場に登場した回数は少なかった。

 統一研究院の洪ミン(ホン・ミン)北朝鮮研究室長は「北は新型コロナ(対策の国境)封鎖と国際社会による制裁の長期化で経済が悪化し、食料供給まで滞っている」としながら、「金正恩が不振の経済などと距離を置き、成果がはっきりした軍事部門でのみ表に立っている」との見方を示した。また「21年の党大会を起点に、党中心の統治へ体制を変え、党の会議体を通じた統治を常設化、定例化したといえる」と分析した。現地指導と呼ばれる露出を減らし、政治会議を中心にした統治を際立たせる様子だという。

 金正恩氏の健康不安説も一部で取り沙汰されるが、韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官は今月10日の記者会見で、「(金正恩氏は)循環器系の家族歴があり、身長170センチに体重140キロの体型、喫煙や飲酒などのために良いとは思えないが、仕事をする上で大きな問題はないというのが現時点での評価」と述べていた。


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