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韓国政府系シンクタンクの統一研究院によると、北朝鮮の党機関紙、労働新聞が伝えた今年上半期の金正恩氏の活動は30回だった。上半期で比較すると、世界的に新型コロナウイルス感染の拡大が始まった20年(21回)よりは多いものの、21年(37回)と22年(50回)を下回った。
今年の活動を分野別にみると、軍事分野が13回で最も多く、着工式や完工式といった行事出席(5回)、記念写真撮影(4回)、政治会議と観覧(それぞれ3回)、参拝(2回)の順。
軍事分野の活動回数は20年と21年それぞれの年間の回数をすでに上回っている。記念写真撮影のうち3回は朝鮮人民軍の正規軍創設記念のもので、これを合わせると公開活動の過半が軍事関連となる。
金正恩政権初期、同氏の公開活動は多い年で227回に及んだが17年からは減少傾向で、20年は新型コロナの影響で55回に激減した。新型コロナの流行が下火になった22年は77回の活動が報じられ、再び増加するとも思われたが、今年上半期に公の場に登場した回数は少なかった。
統一研究院の洪ミン(ホン・ミン)北朝鮮研究室長は「北は新型コロナ(対策の国境)封鎖と国際社会による制裁の長期化で経済が悪化し、食料供給まで滞っている」としながら、「金正恩が不振の経済などと距離を置き、成果がはっきりした軍事部門でのみ表に立っている」との見方を示した。また「21年の党大会を起点に、党中心の統治へ体制を変え、党の会議体を通じた統治を常設化、定例化したといえる」と分析した。現地指導と呼ばれる露出を減らし、政治会議を中心にした統治を際立たせる様子だという。
金正恩氏の健康不安説も一部で取り沙汰されるが、韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官は今月10日の記者会見で、「(金正恩氏は)循環器系の家族歴があり、身長170センチに体重140キロの体型、喫煙や飲酒などのために良いとは思えないが、仕事をする上で大きな問題はないというのが現時点での評価」と述べていた。
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