現代経済研究院「消費、2019年当時に及ばず…旅行・食費などリバウンド消費品目に集中」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
現代経済研究院「消費、2019年当時に及ばず…旅行・食費などリバウンド消費品目に集中」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
今年、韓国の成長をけん引している民間消費が新型コロナウイルス感染拡大期に比べて急増しているが、旅行費や食費などの「リバウンド消費」と解釈される一部の品目に限られていることが明らかになった。新型コロナウィルスのパンデミック以前の2019年と比較すると、全ての品目で消費が減ったものと分析されている。

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現代経済研究院は23日に「民間消費、家計の肯定的期待造成が重要だ」という経済論評を通じて「今年の家計全体の平均消費性向は70.7%で、新型コロナウィルス発生以降で最も高い水準を記録した」と明らかにした。平均消費性向とは、可処分所得に比べた消費支出の割合いを意味する。

しかし、消費は新型コロナウィルスのパンデミック以前の水準までは回復していないことが分かった。報告書によると、今年の平均消費性向は2019年の約93%の水準にとどまっている。

新型コロナウィルスの感染拡大期と2019年に比べた今年の平均消費性向変動の品目別寄与度を分析した結果、今年の平均消費性向は新型コロナウィルス感染拡大期に比べて2.4%から5.1%増加したが、2019年に比べると全品目で消費性向が下落したことが分かった。新型コロナウィルス感染拡大期に比べて今年の平均消費性向上昇に寄与した品目数は97品目中39から49品目と半分に達しておらず、2019年当時と比べると97品目中63品目で平均消費性向が下落した。

特に娯楽・文化(0.5%から1.1%)、飲食・宿泊(1.5%から1.8%)など、新型コロナウィルスの防疫緩和に関連した品目が平均消費性向変動の主な原因であることが分かった。現在、家計平均の消費性向は新型コロナウィルスのパンデミック以前の水準に及ばず、改善の程度も防疫緩和にともなうリバウンド消費と推定される一部の品目に集中している。

現代研究院は下半期にもさらに消費が下向くリスクがあり、消費回復に対する不確実性が大きいと指摘している。今年第1四半期に期待以上の成長傾向を見せた民間消費が韓国唯一の成長の原動力として注目されているだけに、今後の消費の行方が重要だとしている。

報告書を執筆した現代経済研究院のシン・ジヨン先任研究員は「高金利基調が長期化する中で、全体家計で利子負担世帯の割合が2020年の第1四半期の31.5%から今年の第1四半期に36.7%に増加するなど、消費余力を制限している」と述べ、「物価上昇傾向は鈍化しているが、家計が高い消費性向を示す飲食や宿泊、サービスなどの物価上昇傾向が消費控えとして反映し始めている点も懸念される」と指摘した。

続けてシン先任研究員は、景気の好転には消費が果たす役割がいつも重要であるため、経済主体の消費心理回復のために万全を期さなければならないと提言した。経済成長を後押ししている民間消費の回復傾向が持続できるよう、家計の平均消費性向維持・上昇のための政策による後押しが必要だとしている。シン先任研究員は「下半期の家計の実質的な購買力を高めることが重要だ」と述べ、「民間消費の景気浮揚効果を最大化するために、海外旅行需要の国内への転換や、外国人の国内観光需要の促進などのような国内での消費支出を増大させるための政策が必要だ」と述べた。
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