法廷に向かう宋哲鎬・前蔚山市長=11日、ソウル(聯合ニュース)
法廷に向かう宋哲鎬・前蔚山市長=11日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】2018年6月に実施された統一地方選の蔚山市長選に文在寅(ムン・ジェイン)前政権の大統領府が介入したとされる事件で公職選挙法違反などの罪に問われた宋哲鎬(ソン・チョルホ)前蔚山市長と最大野党「共に民主党」の黄雲夏(ファン・ウンハ)国会議員の論告求刑公判が11日、ソウル中央地裁で開かれ、検察は宋氏に懲役6年、黄氏に懲役5年を求刑した。

 検察は「不正情報を収集する警察の権限を悪用し、選挙の公正性を損ねた例のない官権選挙」とし、「宋前市長は犯行を主導し、黄議員に捜査を依頼した結果、不正に当選し実質的な恩恵を被った」と指摘した。

 起訴状などによると、宋氏は17年9月、蔚山地方警察庁長だった黄氏に対し、現職の蔚山市長だった金起炫(キム・ギヒョン)国会議員(与党「国民の力」代表)の捜査を依頼した。黄氏は大統領府から金氏の不正に関する情報を受け取って捜査を行ったほか、職権を乱用して捜査に消極的な警察官に対し不当な人事措置を取った。

 金氏は18年6月の蔚山市長選で敗れた。

 同事件を巡っては20年1月29日に検察が起訴したが、公判準備手続きに1年以上かかり、21年5月から2年以上にわたり公判が行われた。

 その間、宋氏は昨年6月に任期を終えて市長を退任。国会議員になった黄氏の任期も来年5月に終了する。

 通常、判決公判は結審から約1カ月後に開かれるが、事件の資料が膨大で審理に長期間を要したことから、判決は今年末か来年初めに言い渡される見通しだ。


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