端島(資料写真)=(聯合ニュース)
端島(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部によると、サウジアラビアのリヤドで開催されている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は14日(現地時間)、朝鮮半島出身者の強制労働があった長崎市の端島(通称・軍艦島)を含む世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」について、日本に対し今後の取り組みに関し関係国との継続的な対話を促す決議をコンセンサス(議場の総意)で採択した。韓国政府は日本が決議内容を履行することに期待を示した。

 この決議は、世界遺産委員会開幕前の9日に委員会ウェブサイトで公開された決議案と同じ。

 委員会は今回、「明治日本の産業革命遺産」の保全状況を審査した結果、2021年の委員会の決議を受けて日本が展示内容を充実させるなどした取り組みを評価した。併せて、施設の「全体的な説明戦略」を一層強化するため当事国自身の約束を継続して履行することが重要だと言及した。

 説明戦略の強化に対する約束とは、日本が15年の世界遺産登録に際し、徴用被害者を記憶にとどめるために適切な対応を取ると表明したことを指す。だが日本はその後、「産業遺産情報センター」を世界遺産の現場から遠い東京に開設した上、朝鮮半島出身者への差別や人権侵害があった事実をしっかり展示しなかった。これに歴史をゆがめたとの批判の声が上がった。世界遺産委員会は21年に採択した決議で、労働を強いられた朝鮮半島出身者に関する説明が不十分だとし、「強い遺憾」を表明した。

 今回の決議では、当事国が遺産の説明戦略を強化するために新たな証言など含む追加の研究、資料の収集・確認作業を進めるだけでなく、関係国との対話も持続するよう促した。関係国とは事実上、韓国を指す。日本に対しこうした取り組みの状況を24年12月1日までに報告することも求めた。

 韓国外交部はこの日、「日本が今回の決議に基づき同遺産の全体の歴史を理解できる説明戦略の強化に向け自ら約束を履行し、その進展状況を24年12月1日までに提出するよう期待する」と発表した。「わが政府もまた、同決議に従い日本およびユネスコ事務局との対話を続けていく予定」とした。


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