尹大統領「北の挑発防ぐため持続的協力を期待」　国連事務総長と会談

【ニューヨーク聯合ニュース】米ニューヨークを訪れている韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は１９日、国連のグテレス事務総長との会談で、朝鮮半島問題やウクライナ情勢などグローバルな安全保障について意見を交わした。

　韓国大統領室によると、尹大統領は「複合危機の時代、国連を中心としたグローバルな連帯が重要だ」との認識を示し、韓国の国際的なプレゼンスに見合う責任ある役割を担っていくと述べた。２０２４～２５年には国連安全保障理事会の非常任理事国として国際社会の平和増進へ積極的に寄与すると表明し、最大の懸案となっているウクライナの平和定着に向けても役割を果たすとした。

　北朝鮮については「挑発を防ぎ、北の人権状況が実質的に改善されるよう、国連との持続的な協力を期待する」と呼び掛けた。

　グテレス氏は国連での韓国政府の活動と貢献に謝意を述べた後、「韓国の安保理非常任理事国任期中、主要な国際的懸案の解決へ一層緊密に意思疎通を図りたい」と応じた。また北朝鮮の非核化と人権改善でも協力していく考えを改めて示した。

　両氏の会談はこれが３回目。韓国と国連の協力関係にとどまらず、北朝鮮問題や世界的な懸念事項でも連携強化の契機になったと大統領室は伝えた。

　尹大統領は２０日（日本時間２１日未明）に国連総会で一般討論演説を行う。

　グテレス氏との会談に先立ち、尹大統領は国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のバッハ会長と面会した。

　韓国北東部での「江原冬季ユース五輪」の来年１月１９日開幕を控え、尹大統領は準備状況を伝えながら「この大会が葛藤と分裂の時期に世界平和と和合に寄与するよう関心を持ってほしい」と求めた。また、今週中国で開幕する杭州アジア大会が成功するよう、韓国は主催側と積極的に協力すると約束した。

　バッハ氏は「平和に競いながら世界中を一つにすることがオリンピックの精神」と述べ、江原冬季ユース五輪の成功に向け韓国側と緊密に協力していくと述べた。

　また、尹大統領はカザフスタンのトカエフ大統領、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領とも同日会談し、供給網（サプライチェーン）、エネルギーなど経済安全保障分野での協力を強化していく考えで一致した。