映画祭専用館「映画の殿堂」=4日、釜山(聯合ニュース)
映画祭専用館「映画の殿堂」=4日、釜山(聯合ニュース)
【釜山聯合ニュース】韓国南部・釜山で4日、第28回釜山国際映画祭(BIFF)が開幕した。13日まで。

 開会式が同日午後6時から、海雲台の映画祭専用館「映画の殿堂」の野外劇場で開催され、女優のパク・ウンビンが司会を務めた。

 運営委員長職の新設などを巡る内紛で辞任した執行委員長に代わり、俳優のソン・ガンホが映画祭のホスト役を務め、招待された俳優や監督を迎えた。

 野外劇場の約5000の客席を埋めた観客らは俳優や監督らがレッドカーペットに登場するたびに拍手と歓呼で迎えた。BIFFがアジアの映画産業や文化発展に業績を残したアジア地域の個人や団体に贈る「今年のアジア映画人賞」を受賞した香港出身の俳優チョウ・ユンファが登場すると会場の盛り上がりは最高潮に達した。

 今年の映画祭では、オープニング作品の韓国映画「韓国が嫌いで」(原題、チャン・ゴンジェ監督)をはじめとする69カ国・地域の209作品が四つの劇場の25スクリーンで上映される。

 2015年に出版された韓国の作家チャン・ガンミョンの同名小説を原作とする「韓国が嫌いで」は20代後半の女性が幸せを求めて家族や恋人を残しニュージーランドに渡る物語を描いた。評論家たちは「若い世代の空気と情緒を捉え、素朴だが激しい青春の記録」だとし、「幸福に関する切実な問いを投げかけている」と評価している。

 コンペティション部門「ニューカレンツ」では韓国映画「あの夏の日のうそ」(原題、ソン・ヒョンロク監督)、関東大震災当時の朝鮮人虐殺を描いた日本映画「福田村事件」(森達也監督)など10作品がトロフィーをかけて争う。

 今年の映画祭では米映画「ミナリ」を手掛けたリー・アイザック・チョン監督のような韓国系米国人の映画関係者の活躍に注目した「コリアンアメリカン特別展」が開かれる。「ミナリ」では韓国の女優ユン・ヨジョンが米アカデミー賞の助演女優賞を受賞した。

 今年1月に死去した韓国の女優、ユン・ジョンヒと3月に死去した日本の音楽家、坂本龍一をしのぶ特別上映も行われる。

 また、特別企画プログラムとして、東南アジアのなかでも映画産業が盛んなインドネシアにスポットを当てた「インドネシア映画のルネサンス」も実施される。

 映画祭の期間中には釜山の展示コンベンションセンター、BEXCOで「アジアコンテンツ&フィルムマーケット」が昨年に比べ規模を拡大して開催される。

 映画祭は、13日午前の記者会見と同日夜の各部門の授賞式に続き、クロージング作品に選ばれた中国のニン・ハオ(寧浩)監督の「映画の皇帝(The Movie Emperor)」(原題)の上映で幕を下ろす。


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