<W解説>アジア大会サッカー男子決勝、韓国代表選手が日本戦に「何が何でも」勝利したかった2つの理由
<W解説>アジア大会サッカー男子決勝、韓国代表選手が日本戦に「何が何でも」勝利したかった2つの理由
中国の杭州アジア大会の男子サッカーは今月7日、決勝が行われ、U-22日本代表がU-23韓国代表と対戦した。韓国が日本に2-1で逆転勝ちし、大会3連覇を達成した。「韓日戦はじゃんけんでも負けてはいけない」と表現されるように、韓国にとっては今回の試合も「絶対に負けられない」戦いだった。「永遠のライバル」に逆転勝ちし、ファンらは歓喜に酔いしれている。X(旧ツイッター)には「これでアジア最強は韓国だ!」などといった声が上がっている。

イ・ガンイン の最新ニュースまとめ

絶対に負けられない日本戦に、韓国は「本気の布陣」で臨んだ。年齢制限外のオーバーエージ(OA枠)を使い、パリ・サンジェルマンでプレーするMFイ・ガンイン選手ら欧州組4人を起用した。

近年、韓国は日本戦で苦戦が続いていた。歴代23歳以下の代表チームの試合では、韓国は7勝6敗4分でわずかにリードしていたが、近年の対決では、昨年6月のアジアサッカー連盟(AFC)U-23アジアカップ準々決勝において0-3で日本に完敗した。また、フル代表も近年は日本にリードを許しており、2021年3月に行われた国際親善試合、昨年7月のEAFF E-1サッカー選手権2022ではいずれも日本に0-3で敗れていた。

ファン・ソンホン監督は今回の試合前「理由を問わず勝たなければならない。日本に雪辱を果たしたい。日本が決勝に上がってきた以上はリベンジするつもりだ」と闘志を燃やしていた。GKのイ・グァンヨン選手も「皆さんご存じの通り韓日戦だ。韓日戦では絶対に失点してはいけない。絶対に日本には負けない」と決意を示していた。韓国メディアも、日本戦に臨む韓国イレブンについて伝え、OSENは、韓国は日本を今大会で最も難しい対戦相手の1つと位置付けたとし、「その分、選手たちのモチベーションは高まっている」と分析していた。

日本戦である上に、金メダル獲得が懸かる一戦とあって、韓国国民の関心は高く、ソウル市内では街頭応援イベントも行われた。ソウル警察庁は不測の事態に備え、警察官と安全要員約400人を配置して警戒にあたった。

韓国は前半2分に内野航太郎選手にゴールを決められ先制を許すも、同27分に今大会得点ランク単独トップのチョン・ウヨン選手が頭で合わせ同点とした。韓国の圧力に屈した日本が次第に消極的になる中、後半11分にチョ・ヨンウク選手が決勝ゴールを決めた。

試合結果に、韓国の中央日報は「今回の優勝で実力を立証した」と伝えた。さらに同紙は、「今回は完璧な優勝といえるほど」とし、「決勝までの7試合で27得点3失点という圧倒的な試合力を誇示した」と称賛した。

韓国は大会3連覇を果たした。選手たちをこれほどまでに闘志をかきたてさせたのは日本戦であるからというのは間違いないが、もう一つ理由があったといえる。試合は兵役免除の懸かった試合だったのだ。韓国では男性は18~35歳までに21か月の兵役に就くことが義務付けられているが、五輪のメダリストやアジア大会で優勝した選手は事実上の免除の特例が受けられる。基礎軍事訓練を受けた後、34か月間にわたり芸術・体育要因として服務し、544時間の奉仕活動を行えば兵役に服さなくてよい。日本との決勝戦に勝利し金メダルを獲得した選手たちはこの特例の対象となり、韓国メディアのノーカットニュースは「兵役免除の恩恵を受けることができ、選手らの明るい未来が期待される」と伝えた。ネット上でも「韓国金メダルおめでとう。選手たちの兵役免除もおめでたい」などといった声が上がった。

一方、日本は、2010年の第16回大会以来2度目の頂点を目指したが、2大会連続の銀メダルとなった。また、前日には女子代表が史上初の連覇を果たし、アベック優勝の期待もかかっていたが叶わなかった。試合後、大岩剛監督は「勝ち進むにつれて非常にいいチームになった」とした上で「(パリ五輪出場権獲得へ)この悔しさを糧に準備していきたい」と語った。

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