映画『小さな恋のステップ』の公開を控え、12月9日、東京・キャピタル東急にて、主演のチョン・ジェヨンの合同インタビューが行われた。

チョン・ジェヨン の最新ニュースまとめ

『小さな恋のステップ(原題:知り合いの女)』は、独特な演出に定評のあるチャン・ジン監督が、『ガン&トークス』から3年ぶりにメガホンをとり、『シルミド』『ガン&トークス』のチョン・ジェヨンと、CMで大活躍の美少女イ・ナヨンとタッグを組んだキュートなラブストーリー。“知り合いの女”が、“恋人”になるまでの過程を、チョン・ジン監督ならではのシュールなセンスで描き出す。

突然、長年つきあっていた恋人に振られ、さらに医者から“余命3ヶ月”と宣告されたプロ野球の2軍選手トン・チソン。彼の家から39歩しか離れていない距離に住み、10年間、彼を想い続けているにもかかわらず、名前すら訊いてもらえない“知り合いの女”ハン・イヨン。失恋と不治の病のWパンチをくらい、自暴自棄になったチソンが、イヨンが勤めるバーで酔いつぶれたことから、2人の距離は近づき始める…。

『小さな恋のステップ』は、2006年2月4日、全国順次ロードショー。


<b>Q.今回、おっとりして、若干間の抜けたと言っていいような感じの、これまでとは対照的な役柄だったと思いますが、ご自身はどちらのタイプの方が演じやすいでしょうか?それと、特に気を使っていることがあれば教えてください</b>
「これまで出演したキャラクターは、実は共通した部分があるのかなと思います。例えば『シルミド』のハン・サンピルや、『トンマッコルへようこそ』のイ・スファ、彼らを見てみても、やはり愛に弱いというか、愛が弱点であるということが彼らの共通部分だと思います。映画の中で実際に、例えば『シルミド』のハン・サンピルの愛の部分は語られていませんが、もしサンピルのロマンスが描かれていたらおそらく『小さな恋のステップ』のトン・チソンのように、ちょっと愛に疎いというか、鈍いタイプのストーリーを展開したのではないかと思います。ですからそういう意味でどの人物も実は似たようなキャラクターなのではないかと、個人的には思っています。それから、一番神経を使ったという部分については、この映画はコメディではありますが、非常に真面目な部分もありますし、時にはちょっと空々しいといいますか…そういう部分もあったりして、色んな要素を持ったロマンティックコメディだと思っています。この映画を作った俳優やスタッフはみんな、実は正統派のラブストーリーだと思って作り上げていきました。ただ、セリフや状況設定の中に、コメディの要素が散りばめられているので、ロマンティックコメディに見えるのではないでしょうか」

<b>Q.脚本を読んだ段階で、非常に変わった話に感じられると思いますが、最初に脚本を読んだ時の印象と、作品が完成した時の印象を教えてください</b>
「シナリオを最初に読んだ時には、とっても面白い作品だなと思いました。チャン・ジン監督のシナリオはほとんど全て読んでいますが、以前の作品に比べても格段に面白いという印象でした。
実は、ストーリー自体はとても単純で、ある男が亡くなるまでのラブストーリーを描いています。実はその後、大ドンデン返しがあって…というような、割とありふれているとは思いますが、そこにチャン・ジン式のいわゆる奇抜なコメディ要素のラブストーリーを取り入れて、とてもテンポのいい作品に仕上がっているし、非常に独特なコメディだと思いました。
実はコメディというのは、たいてい最初から、この部分で観客を笑わせようという意図があるのですが、そういう部分をあまり意識せず、ラブストーリーがどういう風に観客に受け入れられるのかというところを意識して撮り続けました。ですから、最後に完成した映画を見た時に、例えば映画の中でイヨンとチソンが一緒に映画館で映画を見るシーンで、その中に映し出される映画の場面がありますが、そこでチソンの愛を電柱に乗せてスパークを散らしながら愛をつないでいくというシーンがあるんですね。それは撮影している当時は、どういう風に写るんだろうと全く想像できなかったんですが、実際完成したものを見て、とても違和感なく、それが映画に盛り込まれていてホッとしたのと、もし観客がそれを見た時に、なんて幼稚な映画なんだろうと、監督の共感が得られなかったらとてもツラいなと思っていたのですが、それはシナリオ通り活かされて良かったなと思いました」

<b>Q.チャン・ジン監督はシナリオ通りにきちんと演出する方ですか?それとも役者のアドリブを好む方ですか?</b>
「特定の部分を優先して演出に臨むというようなことはありませんが、例えば、あるシーンで俳優のアドリブを生かした方が面白ければそれを使うし、シナリオ通りの方が面白ければその通りにするし、その時に応じて臨機応変に対応するといのがチャン・ジン監督のスタイルだと思います。
例えば、今回の映画の最初の場面、元恋人と別れた後、想像上のシーンがありますが、そこでは物を投げたり足で蹴ったりという行動全てが、俳優のアドリブでした。どちらかというと、その場の雰囲気を見て、後で演劇的に臨場感あふれるような演技をする時もあります。一方では、シナリオ通り忠実に演技を積み上げていくこともあります。とにかく、色々なスタイルをもって演出に臨む監督だと思います」

<b>Q.映画の中で何度も「愛とは何だかわかるか?」というセリフが出てきますが、ご自身にとっての愛とはどんなものだと思いますか?</b>
「愛というのはとても主観的なものだと思います。人によって愛をどう捉えるか全然違うと思います。今のご質問はおそらく、異性との間の愛のことをおっしゃっているんだと思いますが、人それぞれによって愛を育んでいく過程が異なりますので、一言でこれが愛だという風に定義できないと思います。例えば、一目ぼれした時もそれが愛だと言えますし、ずっと1人の人だけを愛し続けることも愛だと言えると思います。僕個人の考えとしては、徐々に愛を感じていくことだと思います。その愛が長く続けば続くほど、愛が深まっていく、と思います」

<b>Q.イ・ナヨンさん演じるハン・イヨンのように、悪く言えばストーカー的な、でも一途に10年間も同じ人を想い続ける女性をどう思いますか?</b>
「一見ちょっとバカみたいにも見えますが、とても純粋で、本当に感動するほど素晴らしいことだと思います。特に、イ・ナヨンさんのようにとてもキレイな人だったら、相手は嬉しいですよね。実は僕も、イヨンのように1人の女性にずっと片想いしていたことがあるので、自分にも当てはまるところがあるなと思います。イヨンの場合、ストーカーというのはちょっと違うかなと思いますが、純粋な愛を貫いていますし、そういうふうに愛される相手は、非常に幸せな人だと思います」

<b>Q.チソンはずっと想われていたにもかかわらず、全然気づいていませんでしたが、チョン・ジェヨンさんはそういう“好かれている”という感は鋭い方ですか?それとも鈍い方ですか?</b>
「僕の場合、僕のことを好きじゃなくても、この人は僕のことが好きなんだ、と勘違いするタイプです。なので、相手がビックリするというか、この人は何を考えてるんだろう、ということになります」
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