ペ・ドゥナ の最新ニュースまとめ
一方、ペ・ドゥナ主演の新作『空気人形』では、初めてレールを利用し映画を撮った。レール上のカメラは左右にゆっくり、やわらかく動きながら人物の動きを追う。
『空気人形』は、<カンヌ国際映画祭>の公式セレクション「ある視点」部門に招待されたのに続き、開催中(~16日)の釜山国際映画祭でも上映された。是枝監督は先ごろ釜山市内で行ったインタビューで、カメラを横に動かせるようレールを利用したのは「主人公の感情を追いかけるため」だったと語った。
元はドキュメンタリー監督を務めていただけあって、華やかさはないものの、心を動かせる散文のような映画を作ってきた。多少変化を見せたのは前作『歩いても 歩いても』だが、『空気人形』はさらに「詩」に近づいている。カメラが非常にゆっくり動くのも、詩のような感じを与えるためだ。
是枝監督は、『歩いても 歩いても』はせりふが多かったが、『空気人形』では対話や独白よりも映像で話をしたかったと述べ、特に「余白の美」を表現したかったと明かした。
慣れない移動撮影は、すべてペ・ドゥナというすばらしい女優がいたために可能だったという。「人形(ペ・ドゥナ)の感情変化、人形が見た風景を観客が追っていく形の映画です。ペ・ドゥナといういい女優がいたためできた作業でした。そんな優れた女優がいる韓国映画界がうらやましいです」
映画は空気人形が偶然に「心」を持ってしまい、さまざまなことを経験していくというストーリーだ。避けられない人間の孤独と寂しさ、そして人間らしさとは何かについて、映画は問い続ける。「次第に空っぽになっていく人間と、次第に人間になっていく人形の対照的に見せようとした」という是枝監督は、これを見ながら人間性とは何か、希望とは何かを感じてほしいと語る。
人形はレンタルビデオ店で働く純一(ARATA)に出会い、本当の恋を知るが、結局は悲劇的な結末を迎える。人形の最も幸せな瞬間はすぐに最も不幸な瞬間に変わる。「人形は次第に人間の感情を持ち始め、自分が感じる喜びを愛する人に伝えたいと思うようになります。それ自体はすばらしいことですが、純粋な愛は時には相手を傷つけることもあります。結果的には悲劇でも、人形がそのような感情に達したことは祝福すべきことだと思います」
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