韓国映画資料院は3日、個人収集家から昨年10月末ごろ、「夢」のフィルムの寄贈を受け、16ミリフィルムをデジタル復元する作業を最近完了したと明らかにした。ソウル市内の資料院でこの日、「夢」主演女優で申監督夫人だった崔銀姫(チェ・ウニ)さんらが見守る中で復元版を公開した。さらに作業を経た上で、5月に企画展を開き一般公開する予定だ。
「夢」は「悪夜」(1952)、「コリア」(1954)に続く監督3本目の作品で、「離れの客とお母さん」(1961)「聾唖の三竜」(1964)などの文芸映画への流れを作った。原作は李光洙(イ・グァンス)氏の同名小説。山寺を訪れた高官の娘(チェ・ウニ)を懸想した仏僧(ファン・ナム)のつかの間の夢を描く。娘と愛の逃避行に走ったが、結局は娘のいいなずけに捕まり、殺される瞬間に夢から覚めるというあらすじだ。1967年には申監督自身がリメークしている。
資料院は、1946年から1955年までに制作された110本余りの韓国映画のうち、フィルムが保存されている作品は10本にも満たない状況だとしながら、「夢」は韓国映画史研究の重要な資料になると評価した。
申監督は1952年の「悪夜」でデビュー。1950~70年代を代表する監督となり、生涯に80本の映画を生み出した。そのうち、「夢」を含む61本の映画が現存する。
一方、復元版の試写会に出席した崔銀姫さんは、「小学生が遠足に行くときのように夜寝られなかった。いよいよ映画『夢』を見ることになり、まるで夢のよう」と感無量な面持ちで語った。無から有を創造していた時代に作られた作品であり、数十年前の姿を再び目にすることができてうれしいとする一方で、「20代初めに出演した作品が見る人をどれだけ満足させられるか心配」とも話した。
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