チョン・ジェヨン=(聯合ニュース)
チョン・ジェヨン=(聯合ニュース)
「二度とは目にし難いような名優が演じた役にチャレンジする気持ちです。プレッシャーですか?始まったときも、終わってからも、今この瞬間も感じています」――。

チョン・ジェヨン の最新ニュースまとめ

 チョン・ジェヨンは先ごろ、映画『苔(こけ)』の公開(14日)を控えインタビューに応じ、笑ってはいるものの胸のうちは燃えるような気持ちだとしながら、このように語った。

 カン・ウソク監督の『苔』で、彼は村を訪れるリュ・ヘグク(パク・ヘイル)と対極の位置にいるチョン・ヨンドク里長を演じる。原作のオンライン漫画では、村の秘密を握る存在感の大きいキャラクターだ。

 チョン・ジェヨンは、カン監督にチョン里長役のオファーを受けたときから、ためらいがあったと打ち明ける。40歳の自分が前髪がはげ上がった白髪の老人を演じるというぎこちなさ、原作のカリスマを表現せねばならないというプレッシャーのためだ。うまくやれそうだという自信も最初はほとんどなく、監督の強い勧誘と支持がなければ演じる勇気が出なかっただろうと振り返った。

 苦悩の末に出演を決めたが、撮影も楽ではなかった。髪をそってからかつらをつけねばならず、濃いメークも必要だった。何よりも、厚化粧のため表情をきちんと出せるのかどうかが心配だった。自ら「演じながら一番ストレスを感じた作品だった」と明かす。

 プレッシャーをはねのけるために彼が取った方法は、チョン里長を自分のスタイルに変えることだった。カン監督の助けを借り、抽象的でカリスマあふれる原作のチョン里長をより具体化し、現実的で突拍子もない人物として表現し、さらに持ち前のユーモアも加えた。チョン・ジェヨンのチョン里長が、原作のシニカルな性格を持ちながらも、独特のユーモアを見せてくれる理由だ。

 「漫画より平凡なのが映画の中のチョン里長でしょう。どうかすると原作より単調な感じがするかもしれません。ですが、わたしも監督もそうあるべきだと信じていました。抽象的なよりも、具体的な人間としてアプローチしようと努めました」。

 今回の映画で苦労が多かったように思えるチョン・ジェヨン。彼は今や立派な中堅俳優だ。1996年に『パク・ボンゴン家出事件』で映画デビューして以来、出演映画は約20作に上る。

 『血も涙もなく』(2002年)や『シルミド』(2003年)などで強い印象を残し、『小さな恋のステップ』(2004年)では見る人の同情を誘う男を演じ、映画界の注目を集めた。

 その後は順調に進み、『ウェディング・キャンペーン』(2005年)、『偉大なる系譜』(2006年)、『正しく生きよう』(2007年)、『カン・チョルジュン 公共の敵1-1』(2008年)、『神機箭』(2008年)、『キム氏漂流記』(2009年)、『苔』(2010年)まで、さまざまな作品で経歴を積んだ。

 その中でも、『苔』は特別な作品だ。漫画を原作にした初の映画となる上、80億ウォン(約5億7080万円)という制作費や出演陣の顔ぶれなどからみて、彼が出演した映画の中で最も規模が大きい。

 下半期最高の期待作となる同作への評価は、比較的良いといえる。巷では、観客500万人、または800万人まで動員できるの見方も出ている。大半の俳優が夢見るように、彼も観客1000万人動員を目指しているのだろうか。

 「当然10万人より1000万人が良いでしょう。ただ、1000万人の動員を目標に演じることはありません。俳優にとってもっと重要なことは、専門家や大衆の評価でしょう。演技が下手なのに1000万人が見たと考えてみてください。どれだけ恥ずかしいか。恥ずかしい演技を1000万人が見ると考えると、本当に穴があったら入りたい気分になると思います」。



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