【慶州21日聯合ニュース】ソウルで来月11~12日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)では、各国が自国通貨の下落を誘導する「通貨安競争」を新興国と先進国が約束を取り交わす「ビッグ・ディール」の形で解決する方策が進められる見通しだ。
 また、為替問題が今回集中的に提起されたことで、次回G20サミットで同問題が公式議題に採択される可能性が高まっている。
 複数の政府高官が21日に明らかにしたところによると、政府はG20サミット前まで米国、中国など主要国間の仲裁を務め、対立を緩和させる方針だ。調整に失敗した場合は、サミットで各国首脳が国際通貨基金(IMF)改革と為替問題をパッケージ化し一括妥結する案を慎重に検討しているという。
 ある高官は、まずはサミット議長国として、為替をめぐり摩擦が生じた主要国を訪問または随時接触し、相手国の立場を十分に説明し協力を促す形で仲裁を試みると説明した。この方法で解決できなければ、ソウルで首脳陣が談判することになると話した。
 またこの高官は、為替問題は勝者か敗者しか存在しない「ゼロサムゲーム」のため、必ず損をする側があり、首脳間の論議では結論が出せないという問題があると指摘した。難航しているIMF出資比率の調整問題を結び付けたパッケージディールも代案として考慮していると述べた。
 為替問題と関連し、米国や日本などG20を構成する先進国は中国・人民元の切り上げを強く求めているが、中国やブラジルなど新興国は、こうした圧力に強く反発している。
 IMF出資比率の見直しに関しては、欧州連合(EU)など大半の先進国が出資比率を新興国に移すことに否定的な姿勢を示している。難しい状況を韓国がうまく調整すれば、2つの争点をまとめて解決できる可能性がある。先進国がIMF出資比率と理事国枠の一部を新興国に移す代わりに、新興国は先進国が提起した為替問題に前向きな立場を取ることで、ウィンウィン(相互利益)の関係を築けるというものだ。
 これと関連し、英中央銀行イングランド銀行のキング総裁は先ごろ、「G20は自国の経済政策を調整し保護主義に走る危険性を防ぐため、グランドバーゲン(一括妥結)が必要だ」と述べるなど、支持の意志を明らかにしている。
 為替問題が争点として浮上したことで、G20ソウル・サミットでは、為替関連の言及が、コミュニケの付属書で簡略に取り上げた過去サミットの水準に比べ、大幅に進む見通しだ。ソウル・サミットで採択するコミュニケには、「世界経済の不均衡是正に向け、G20が為替問題に積極的に対処する」という水準の内容が盛り込まれ、フランスが議長を務める来年のG20サミットの公式議題になる可能性が大きいと見込まれる。
 別の政府高官は、6月のトロント・サミットでは、南欧の財政危機による衝撃でコミュニケに財政危機が詳しく言及され、代案も提示されたと指摘。こうしたことから、今回のソウル・サミットでもコミュニケに、為替問題の調整に向けたシステム構築に努力するという程度の言及がある可能性は少なくないとの考えを示した。
 為替問題の解決に向け努力するとの合意が成立すれば、ワーキンググループなどが構成され、具体的な代案を模索することが予想される。そうなると、来年のG20サミットの議題になる可能性が高まる。対外経済政策研究院は、「中国もこれ以上為替議題を拒否できない状況にあり、ソウル・サミットでは為替問題を正式議題にする方向で結論が出るだろう」との見通しを示した。

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