『製パン王キム・タック』主演のユン・シユン(左)とイ・ヨンア=(聯合ニュース)
『製パン王キム・タック』主演のユン・シユン(左)とイ・ヨンア=(聯合ニュース)
ことしの韓国放送界と芸能界は、希望と悲しみが交差した1年となった。全国民の関心を集めたオーディション番組<スーパースターK2>、ドラマ『製パン王キム・タック』をはじめ、同性愛を扱ったことで議論を呼んだドラマ『人生は美しい』などが人々に希望を与えた一方で、俳優パク・ヨンハとチェ・ジニョンの自殺、コメディアンのキム・ミファの「芸能人ブラックリスト(出演禁止リスト)」発言による波紋、タレントのシン・ジョンファンのギャンブル疑惑などは、苦々しさと悲しみを残した。

パク・ヨンハ の最新ニュースまとめ

 134万人の応募者が殺到したケーブルチャンネル・Mnetのオーディション番組<スーパースターK2>は、ケーブルチャンネルの番組としては初めて視聴率が10%を超え、最終回は18.1%を記録するなど、ケーブル放送の新紀元を開いた。オーディションに挑む挑戦者の夢と情熱が話題を集めたこの番組は、優勝者のホ・ガクが中卒の修理工だった点がさらに感動を与えた。

 視聴率が50%を超えたKBS第2ドラマ『製パン王キム・タック』も「善人が勝利する」というメッセージを強調し続け、人気となった。財産も学歴もない主人公キム・タックが周囲のさまざまな妨害にもめげず、良心と善良さを守りながら製パン師に成長していく過程が老若男女の心をつかんだ。

 SBSドラマ『人生は美しい』は、地上波の週末ドラマで男性の同性愛カップルを描き、韓国社会のオープンさを示した。放映期間中は賛否両論が絶えなかったものの、ベテラン脚本家の金秀賢(キム・スヒョン)は大家族の物語の中で同性愛カップルの苦悩をかなりの比重で扱い、少数者の人権を公論化した。

 芸能人の自殺はことしも続いた。俳優のチェ・ジニョンは、2008年に自殺した姉で女優のチェ・ジンシルのあとを追い、3月に自ら命を絶った。6月には韓流スターのパク・ヨンハが自殺し、国内はもちろん日本のファンも悲しみに包まれた。

 タレントのシン・ジョンファンはフィリピンで多額のギャンブルをした疑いがもたれ放送界から締め出され、俳優のキム・ソンミンは覚せい剤を使用した容疑で拘束された。

 コメディアンのキム・ミファは7月に、「KBSには芸能人ブラックリスト(出演禁止リスト)が存在するようだ」と短文投稿サイト「ツイッター」に書き込んだことで、KBSと4か月にわたり攻防を続けた。

 トップスターのチャン・ドンゴンコ・ソヨンの結婚や、女優のキム・ヘスと個性派俳優ユ・ヘジンの交際も話題を集めた。

 ことしのドラマ市場を先導したKBS第2は、『チュノ~推奴~』『勉強の神』『シンデレラのお姉さん』『トキメキ☆成均館スキャンダル』『逃亡者プランB』など、真新しい素材のドラマを放映し、視聴者を楽しませた。
 MBCはドラマ『明日に向かってハイキック』をはじめ『同伊』『パスタ』などが善戦。SBSも『ジャイアント』『大物』『シークレットガーデン』などが話題となった。

 一方、エンターテインメント分野では、KBS第2の<ハッピーサンデー>のコーナー<1泊2日>やMBCの、<無限挑戦>など、既存の人気番組の独走が続き、新番組は定着できず苦戦した。

 映画界では、制作費が100億ウォンを超えた『TSUNAMI-ツナミ-』(1048万人動員)と『国家代表!? 』(842万人動員)がヒットした昨年に比べ、観客動員数が1000万人前後の作品はなかった。そうしたなか、30億~50億ウォン程度と比較的制作費が少ない作品がヒットし、興行成績10位内には、『アジョシ』『義兄弟~SECRET REUNION』『黒く濁る村』『砲火の中へ』『ハーモニー』『房子伝』『不当取引』の7作品がランクインした。

 ウォンビン主演の『アジョシ』(622万人動員)、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン主演の『義兄弟』(546万人動員)は、観客動員数が500万人を突破した。いずれも純制作費は36~40億ウォンにすぎず、制作会社の立場ではビックヒット作となった。

 このほか、純制作費55億ウォンの『黒く濁る村』は観客337万人、キム・ユンジン主演の『ハーモニー』(制作費27億ウォン)は304万人、キム・ジュヒョク、チョ・ヨジョン主演の『房子伝』(制作費40億ウォン)は301万人をそれぞれ動員した。

 ただ、ことしの映画館の年間入場者数はやや減少した。映画新興委員会の統計によると、1~11月の映画館入場者数は1億3347万人で、昨年の同じ期間の1億3794万人を下回った。韓国映画が占める割合も46.2%と、昨年(51.2%)に比べ5ポイント落ち込んだ。『アバター』(1335万人動員)の高い人気で洋画が占める割合が相対的に高まった上、観客動員数が1000万人を超える韓国映画の大作がなかったためだ。

 ことしはスリラー映画の人気が高かった。『アジョシ』は青少年観覧不可という年齢制限等級(レーティング)が設定された上、残酷な暴力シーンがあったり、児童虐待を扱うなどのネックもあったが、韓国映画のなかではことしの最多観客動員を記録した。

 映像物等級委員会から2度にわたり「制限上映可」の判定を受けた「悪魔を見た」も話題を集め、『ビー・デビル(原題:キム・ボクナム殺人事件のてん末)』は大鐘賞、大韓民国映画大賞で新人監督賞を受賞した。
 海外の映画祭でも韓国映画は好評を得た。第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でイ・チャンドン監督の『詩(ポエトリー)』が脚本賞を、『ある視点』部門でホン・サンス監督作品『ハハハ(夏夏夏)』が大賞を受賞した。

 『詩』は、大鐘賞映画祭で最優秀作品賞など4冠に輝いたほか、大韓民国映画大賞で最優秀作品賞、監督賞、脚本賞を、釜日映画賞と韓国映画評論家協会賞で最優秀作品賞と脚本賞を受賞するなど、国内の主な映画賞を総なめにした。

 ポン・ジュノ監督の『母なる証明』も第4回アジア・フィルム・アワード(AFA)で、作品賞、主演女優賞、脚本賞の3部門で受賞した。
 俳優の海外進出も目立った。チョン・ジヒョンはウェイン・ワン(王穎)監督の『雪花と秘文字の扇(Snow Flower and the Secret Fan)』の主人公に起用され、ソン・ヘギョはウォン・カーウァイ(王家衛)監督の『一代宗師』に出演し、トニー・レオン(梁朝偉)、チャン・ツィイー(章子怡)、チャン・チェン(張震)ら中華圏のトップスターと共演した。

 Rain(ピ)はハリウッド映画『ニンジャ・アサシン』で主役を演じ、チャン・ドンゴンも『ウォリアーズ・ウェイ』でハリウッド進出を果たした。チョン・ウソンはジョン・ウー監督の『剣雨江湖』に出演し、ミシェル・ヨーと共演した。

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