韓国映画界の巨匠イム・グォンテク監督の101本目の作品「月の光をくみ上げる」の試写会が2月17日、全羅北道・全州で行われた。

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 同作品は、壬辰倭乱(文禄の役)で焼失した「朝鮮王朝実録」のうち唯一残った全州史庫保管分を、韓国伝統の韓紙で復元しようとする人々の姿を描いた。イム監督初のデジタル映画でもある。全州市の韓紙広報事業の一環として企画され、全州国際映画祭が制作を担当、全州市がスポンサーを務めた。

 試写会後の記者会見で、イム監督は「まったく新しいイム・グォンテクの映画を撮ろうと思い、そういう映画を作ろうと大変気を配った。観客にどう映るか気になるところだ」と話した。また、デジタル映画はフィルムで撮影するより画質や深みに劣ると考えこれまで避けてきたが、特に違いはなかったと満足感を示した。

 作品に関しては、「これほどすばらしい韓紙が世界にその存在を忘れられ、国民もよく知らずにいるのは、自尊心を傷つけること。わたしたちのものを見直す契機になれば」と語った。

 主演のパク・チュンフンは、演じた役について「深く入り込まなければ、自分のものにできない人物」と紹介。実在する人々に会い、監督とも頻繁に話し合ったことが大いに役だったと話した。

 カン・スヨンは、「撮影が半ばまで進んだころには、皆、半分は韓紙専門家になっていた。観客にも韓紙の魅力に浸ってほしいとアピールした。韓国映画「月の光をくみ上げる」は3月17日に韓国封切り。