20日の公開を前にインタビューに応じたイ・ミンギは「撮影の間中、バイクに乗って時速170~200キロメートルで走り続けました。事故が起きなかったのがむしろ不思議なくらいです」と大変だった撮影を振り返った。韓国映画では初めてとなる、特殊カメラを車両に取り付けての撮影だった。
イ・ミンギ の最新ニュースまとめ
イ・ミンギ演じる主人公はヘルメットに仕掛けられた爆弾を爆発させないために、与えられた時間内に爆弾を配達しなければならない。暴走族あがりで、生活のためにバイク便配達(韓国では「クイックサービス」と呼ばれる)の仕事をしているという設定だが、BMWのバイクにまたがる姿は実にさまになっている。
実際、大きなバイクに乗りたくて、早くに免許を取り、知り合いのバイクに乗せてもらったりしたことはあったものの、本格的に乗ったのは今回が初めてだ。ただ乗るだけではなく、暴走シーンも多く、スタントマンのけがも絶えなかった。ただ、それより大変だったのは、アナログ的な、体を張ったアクションが必要なシーンだったという。
彼自身は、暴走は自分には向いていないと言う。「表に出す方ではないんです。何かを楽しむ時も、それを大げさに表現するよりは、自分だけで楽しむ方です」と分析。悩み多き思春期も、自分なりの迷い方をした。
一方、劇中では独特な釜山なまりを披露している。慶尚南道・金海出身のイ・ミンギにはお手のものと思えるが、細かな計算があったようだ。釜山の方言そのものではなく、役柄に合わせ、上京してやや和らいでいる方言を表現。イントネーションは抜けないが、ちょっとした感覚を生かしたりソウルで使う単語を入れるなど工夫を凝らした。
しかし、今回の演技は多少大げさな面があるという評価については、不安ものぞかせた。「演技が酷評されたとすれば、わたしの演技がまずかったのでしょう」としながらも、映画のジャンルや、漫画的な要素などに触れ、こうした状況を踏まえての演技だったことを説明した。
ユン・ジェギュン監督とは「TSUNAMI-ツナミ-」に続き2作目。大ヒットとなった前作で、消防官役のイ・ミンギは強い印象を与えた。しかし今作は主役だ。プレッシャーはないのかという周囲の言葉に対し、「出演シーンが多いな、とは思いましたが、映画を引っ張っていくぞというよりは、自分がこれをしないと、との決意で作品に取り組みました」。それでも周りから言われるうちに、映画の興行面などにも気づかされ、プロモーションにも責任感を感じるようになった。
「TSUNAMI」が引き合いに出されることも多いが、ジャンルも違えば演じる役柄も違う。次の作品ではまた別の姿を見せるよう、イメージが固定しないよう努力するしかないと語った。演技の幅を広げるために、読書を心掛けるようになった。最近では本を読むことはすっかり日常だ。
「いつでも、自分が悩むような作品に取り組まなければと思います。そうすればずっと続けていけます。どんな作品であれ、また一歩進んだなと思われるよう、少しずつ新たに発展していく、そんな演技をする役者になれればと思います」。演じることへの、素朴ながら揺るぎない気持ちが透けて見えた。
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