セクシー女優として活躍する傍ら、作家としても活躍中の紗倉まなが、約3年ぶりとなる小説集『ごっこ』(講談社)を発売した。20日に都内で刊行記念記者会見を行った。

初めて書き下ろした小説『最低。』は映画化され、前作の『春、死なん』は野間文芸新人賞候補作となり、女性作家としても注目を集める紗倉。今作はあいまいな関係に振り回される女たちの不器用な恋が描かれた作品となっている。

今作の執筆するきっかけを聞かれた紗倉は「担当編集の方から『ちょっと息抜きに、恋愛小説を書いてみるのはいかがですか?』というお話しをいただいて、ちょうど原稿が行き詰っていたときで、救われるような思いで1篇目の『はこのなか』を書き、そこから書かせていただく運びとなりました」と説明した。

本作の注目ポイントについては「今までの作品と違う部分が、感情がすごく高まって、ヒステリックじゃないですけど、今までよりも躍動感のある話が書けたのではないかと感じていて。結構ままならない関係性に翻弄される登場人物が出てくるんですが、恋愛という軸で書くのも初めてだったので、その辺りを読んでいただけたらうれしいです」とアピールした。

自身の恋愛について問われると「ことごとく玉砕してきた感じでした。私が短気ですぐに起こったりクレーマー気質だったりします」と自己分析した。続けて「自分の心の底で濁ってたまっていた思いがどこかで書けたらいいなと思っていた。それが感情的だったり激しい登場人物の気質に影響したと思う」と話した。

18歳のときにセクシー女優としてデビューを果たし、すでにベテランの域に達している紗倉は3月で30歳になる。「周りにいる女性の方々から30代になるとどんどん生きやすくなると言われています。20代の頃は自分をうまくコントロールできなかったんですよ。30代は自分をうまく扱えるような、そんな年にしたいと思っています」と意気込んだ。

最後に紗倉は「本職の方では男性の方々に多く見ていただいているのですが、女性の方にもこの本を手に取って読んでいただけたらうれしいです」と二刀流を宣言した。