息子をセウォル号の事故で亡くした事実を後から知った実母が国家を相手に起こした損害賠償訴訟の控訴審で、一審を覆して勝訴した。

5日、裁判所によると、ソウル高等裁判所の民事9部(部長裁判官ソン・ジヨン)は先月25日、Aさんの実母Bさんが国家に対して起こした損害賠償請求訴訟の控訴審で、一審とは異なり、原告の勝訴判決を下して、国家が4億ウォンを賠償するように言い渡したという。

Aさんは2000年に両親が離婚した後、父親のもとで育てられ、Bさんとは特に交流がなかったと伝えられている。Aさんは2014年にセウォル号の事故で亡くなったが、父親はBさんに何の連絡も取らなかった。

Bさんは2021年1月、社会的大事故特別調査委員会の関係者から、セウォル号の事故の国民奉仕金を受け取っていないことを知らされ、息子の死を知った。当時、Bさんは「私たちの息子がセウォル号の事故で亡くなったのか」「ダンウォン高校に通っていたのか」と、関係者との会話が困難なほど悲しみにくれていたと伝えられている。