キム・ハンソルさん=(聯合ニュース)
キム・ハンソルさん=(聯合ニュース)
【ルアーブル(フランス北西部)聯合ニュース】北朝鮮で張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑された後、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記のおい、キム・ハンソルさんの姿が見られなかったが、16日(現地時間)にフランスにある学校の寄宿舎に戻る様子が確認された。
 ハンソルさんは故金正日(キム・ジョンイル)総書記の孫で、金第1書記の異母兄・正男(ジョンナム)氏の息子。今年ボスニアのインターナショナル高校を卒業し、8月にフランスの高等専門教育機関・グランゼコール、パリ政治学院に入学した。ルアーブルにあるキャンパスに近い寄宿舎で生活していた。
 張氏の処刑後、正男氏とハンソルさんの姿が確認されておらず、身の危険を感じて姿を隠したのではないかとの観測が出ていた。ハンソルさんが通う学校は今週が試験期間だが、ハンソルさんの姿は先週から見かけられていない。また、寄宿舎の郵便受けからはハンソルさんの名前がなくなっている。
 しかしこの日、辺りが暗くなった午後6時ごろ、ハンソルさんは現地の私服警察官2~3人に囲まれながらやや緊張した面持ちで寄宿舎に戻った。周辺は韓国の取材陣が待機しており、記者がカメラを構えるとほかの警察官が撮影を制止し、ハンソルさんは急ぎ足で寄宿舎の中に入っていった。警察はその後も寄宿舎周辺を巡回した。
 学校側は関係者や学生らに、ハンソルさんに関する質問には応じさせないようにしているようだ。
 ハンソルさんは10月にフィンランドのテレビとのインタビューで、金第1書記が後継者になった経緯を聞かれ、「祖父(金総書記)と叔父(金第1書記)の間の問題。私は2人に会ったことがない。彼がどうやって独裁者になったか知らない」と答えている。父の正男氏は政治に関心がなかったとも話した。
 一方、今月14日付の北朝鮮・朝鮮労働党機関紙、労働新聞には「それが誰であれ、首領を知らず、挑戦しようとするならば、たとえ血縁といえども躊躇(ちゅうちょ)なく懲罰の銃口を突きつける」などの表現がみられた。
 金正恩体制発足後、正男氏は北朝鮮の対外事業のほとんどから手を引いたが、張氏からの経済的な支援は続いていたとされる。

Copyright 2013(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0