韓国人気俳優のチャ・スンウォンさんと「SMAP」の草なぎ剛さんの主演で注目の韓日合作舞台「ぼくに炎の戦車を」の韓国公演がスタートした。100年前の日本統治下の朝鮮半島を舞台に、草なぎさん演じる日本人教師とチャさん扮する放浪芸人との国境を越えた友情を描く物語で、草なぎさんの妹(広末涼子)の夫、清彦を熱演する香川照之さんに話を聞いた。

チャ・スンウォン の最新ニュースまとめ

 朝鮮人と日本人のハーフとして葛藤を抱える清彦という役について、在日韓国人である作・演出の「鄭義信(チョン・ウィシン)の分身」という香川さんは、「僕自身、普通の人間ではないので、(清彦の屈託と)僕自身の屈託とピースを少し替えればいいだけ。難解な役だがある意味容易な役」と語った。
 日本では昨年11、12月に上演され毎回スタンディングオベーションを受けるほどの好評を博した。「全く予想しなかった。なぜ立つのか分からないくらいだった。3時間半という長い舞台が終わって万歳しているのかと思った」と笑う。

 韓日関係が冷却した最中に行われた日本公演だったが、好評を得たのは「日本と韓国の状況を正面からたたき切っている舞台だからではないか」という。デリケートな問題を扱う作品に出演することに「プレッシャーは特にない。僕という人間のなまの苦しみや生き様や力を、相手にぶつけていくことが仕事ですから」

 記者会見でチャ・スンウォンさんが「俳優同士がこんなに固い絆で結ばれる作品にはもう出会えないのでは」と語るほど、出演者が一つになった舞台。香川さんは俳優やスタッフが「二つの違う国から半々ずつ参加したことで加速度を増すように絆が深まった」と語る。

 海外の俳優と演じる難しさについては「全くない。言葉が通じないからこそストレートにぶつかり合える外国の方とやるのが好き。言葉は相手の奥のものを遮断してしまう」

 チャ・スンウォンさんを同作の「主電源」と話す。劇中のクライマックスの一つに一発勝負の綱渡りがあるからだ。芝居の稽古に加えて一人、綱渡りの練習を繰り返し、本番で成功させなければならないプレッシャーを引き受けている人だからこそ皆に力を与える「主電源」なのだという。
 香川さんが「大きさやパワーが違う」と絶賛する韓国人俳優と、日本人俳優が正面からぶつかり合う同作は、ソウルの国立劇場・ヘオルム劇場で2月3日まで上演される。

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