<W解説>アジア人で初めて米エミー賞主演男優賞を受賞した韓国人俳優イ・ジョンジェ氏とは?(画像提供:wowkorea)
<W解説>アジア人で初めて米エミー賞主演男優賞を受賞した韓国人俳優イ・ジョンジェ氏とは?(画像提供:wowkorea)
米テレビ界最高の栄誉とされるエミー賞の授賞式が12日、ロサンゼルスで開かれた。世界的にヒットした、米動画配信大手ネットフィリックスの韓国ドラマ「イカゲーム」は監督賞と主演男優賞を受賞。今月4日には、ゲスト賞、プロダクションデザイン賞、視覚効果賞、スタントパフォーマンス賞の4部門で受賞しており、計6冠となった。主演男優賞は俳優のイ・ジョンジェ氏(49)が受賞。外国語番組から主演男優賞受賞者が出るのは初めて。

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エミー賞は米国で放送される優れたテレビドラマや番組、テレビ業界の功績に与えられる賞。映画におけるアカデミー賞、演劇におけるトミー賞、音楽におけるグラミー賞に相当する、最も権威ある文化賞の一つ。

イカゲームは、賞金を懸けた謎のサバイバルに参加した人たちが、最後の勝者になるために極限のゲームに挑戦するストーリー。登場人物が死を伴う危険なゲームに巻き込まれる様相を描く「デスゲーム」と呼ばれるジャンルの作品だ。

ネットフリックスで、昨年9月17日に公開が始まり、1週間後の9月23日から46日連続でネットフリックスのドラマの世界ランキング1位となるなど、大ヒットを遂げた。また、配信開始から28日間で、累計視聴時間16時間5045万時間を記録。この累計視聴時間は現在もなお、ネットフリックスでの最高記録となっている。

日本では公開当初は、2014年に公開された日本の映画「神さまの言うとおり」など、いくつかの日本作品に似ているとの指摘が出たが、人気は高まり、ネットフリックス日本版でも総合1位を獲得した。また、昨年、日本国内で最も話題となった言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされたほか、流行先取りメディア「Petrel(ぺトレル)」の運営を行うパスチャーが選定したインスタ流行語大賞ランキングで3位に入った。

アジア人として初めて主演男優賞(ドラマシリーズ部門)を受賞したイ氏は授賞式で「ありがとうございます。神様に感謝を伝えたい。ネットフリックスもありがとう。そして私を生かしてくれるこういったシリーズをつくってもらえて、本当にうれしく思っている。『イカゲーム』の皆さん、ありがとう」と喜びを表した。

受賞に先立ち、予測専門サイト「ゴールドダービー」では、イ氏を同部門受賞の有力候補1位に挙げていた。ロサンゼルス・タイムズは「イ・ジョンジェは手ぶらでは帰らないだろう」と伝えたほか、ニューヨーク・タイムズも「イ・ジョンジェはSAG(米国俳優組合賞)でテレビドラマシリーズ主演男優賞を受賞したことがある」と紹介し、イ氏のエミー賞主演男優賞の受賞を有力視した。

イ氏はソウル市出身。1993年にSBSで放送されたドラマ「恐竜先生」でデビューした。その後、数多くのドラマや映画に出演し、受賞歴も多数。1999年公開の映画「太陽はない」での演技が評価され、同年に韓国で最も権威ある映画賞とされるチョンニョン(青龍)映画賞の男優主演賞を史上最年少で受賞した。役者として、身長180センチと長身なスタイルの良さを生かしたクールな役柄のイメージで広く認知されてきた。しかし、主演を務めたイカゲームでは、無職で借金まみれのギャンブル狂だが人情味のあるソン・ギフンを演じた。

また、昨年12月には日本テレビ系のバラエティ番組「しゃべくり007」に出演。レギュラー出演者であるしゃべくりメンバーと、イカゲームのパロディ企画「しゃべゲーム」で対決した。

私生活では、韓国の食品製造・流通大手のテサン(大象)グループのイム・セリョン(林世玲)副会長(45)と2015年から交際中で、エミー賞の授賞式でも仲良く手をつないでレッドカーペットに立った。林氏は大象グループのイム・チャンウク(林昌郁)名誉会長の長女。

今回の快挙にユン・ソギョル(尹錫悦)大統領も祝電を送り、イ氏に対しては「デビュー30周年を迎える今年、世界の人々から愛され、関心を向けられたことは何よりも意義深い」とし、「イ・ジョンジェさんの素晴らしい演技が、キャラクターと見る人の心を一つにした」と称賛した。

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