前国家安保室長の逮捕で文政権の捜査も拡大か...文前大統領は反発=韓国(画像提供:wowkorea)
前国家安保室長の逮捕で文政権の捜査も拡大か...文前大統領は反発=韓国(画像提供:wowkorea)
2020年9月に黄海で漂流していた韓国公務員が北朝鮮軍によって射殺された事件に関連して、職権乱用などの疑いでソ・フン(徐薫)前大統領府国家安保室長が3日に韓国検察から逮捕された。

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 韓国メディア「ヘラルド経済新聞」によると、ソウル中央地裁のキム・ジョンミン令状専担部長判事は3日、職権乱用と虚偽公文書作成・行使の疑いで請求された徐氏に対する逮捕令状を発行した。

 海洋水産省の公務員だったイ・デジュン氏が殺害され、メディアを通じて報道されると、翌日の2020年9月23日、徐氏は関係長官会議で「イ氏が自ら越北した」と結論づけ、国防省と国家情報院・海洋警察庁などに、これに反する情報を削除するよう指示し、関係機関の報告書や報道資料に虚偽内容を書かせた疑いを受けている。

 徐氏が逮捕されたことで、文政権の主要関係者にも捜査が拡大する可能性も高くなった。

 これについてムン・ジェイン(文在寅)前大統領は1日、野党「共に民主党」のユン・ゴンヨン(尹建永)議員を通じて声明文を発表。「政権が変わり、大統領に報告されメディアに公布された部署の判断が覆された。判断の根拠となった情報と情況は、変わったことがまったくないのに結論だけが正反対になった」と批判した。

 このような文氏の発言に対して、批判の声も出ている。

 毎日経済新聞は2日付社説で、「文前大統領が北朝鮮軍に殺害されたイ氏を救助できなかったことについては謝罪の一言もない。越北と独断したことが正しかったと強弁するのは、遺族を2度泣かせる行為だ。偽りの平和ショーにしがみつき、国民の生命を放置した文前大統領が、果たしてそのようなことを言う立場なのか」と批判した。

 同日のソウル新聞社説でも、「文前大統領の反発は時期や内容などさまざまな面で、適切でない。何よりもイ氏が自ら北朝鮮に渡ったとは考えにくい情況が、検察の再捜査で続々と明らかになっている。こうした状況で、ファクトが変わっていないという主張は説得力に欠ける」と指摘した。

「今の検察捜査が事件を政争化していると主張するには、検察の捜査で真相を明らかにすべきだ。検察の捜査にブレーキをかけることこそ、さらなる政争化と言わざるを得ない」と付け加えた。
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