ウォン容疑者は北朝鮮国家安全保衛部所属のスパイで、1998年に中国に渡り、吉林省などで貿易業を営みながら脱北者や韓国の事業家らの拉致に関与するなどスパイ活動を行い、2001年10月、朝鮮族に偽装して韓国人男性と結婚後、入国したことが把握された。
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調査の結果、ウォン容疑者は韓国入国直後に国家情報院に脱北者として虚偽の自首をした後、国軍部隊を回りながら反共講演を行う過程で知り合った陸軍大尉ら京畿道北部地域部隊所属の将校3~4人に異性交際をちらつかせ接近、軍事機密を盗み出したことが明らかになった。また、脱北者団体の幹部や軍の情報要員らとも接触しながら、北朝鮮からの亡命者で元朝鮮労働党秘書の黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)氏ら重要人物の所在を把握する一方、脱北者定着支援施設・ハナ院の同期と脱北者出身の安保講師らの名簿も入手したという。
中国と韓国、北朝鮮を自由に行き来しながら活動を展開してきたウォン容疑者は日本に住む脱北者らの所在などの情報を収集するため、昨年末からは日本で工作活動を行ったことも分かった。
一方、拘束された男は、中国で活動する保衛部工作員らと頻繁に接触しながらウォン容疑者に工作金を提供し、スパイ活動を指示したと把握されている。金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と姻戚関係にあるとされており、1999年に中国に偽装脱北後、現地で工作活動を行い、2006年末にカンボジアから韓国に入国したことが明らかになった。
捜査結果を発表した合同捜査本部のキム・ギョンス水原地検2次長検事は、過去10年間続いた南北和解ムードと北朝鮮住民の離脱が次第に増加する状況の中、脱北者の一部にスパイが存在するとの疑念がありながらも確認することができなかったが、今回はその実態が明らかになった最初のケースだと説明した。
この事件に国防当局の現役幹部がかかわっていたことについて、国防部の李相憙(イ・サンヒ)長官は27日の幹部会議で、「国民の皆さんを心配させたことに遺憾を表する」と述べた。全軍で特別保安診断作業に着手し、将兵に対する精神教育を実施するよう指示した。
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