韓国映画「私たちは天国には行けないけど、愛することはできる」のキャスト、公開日、あらすじ
お互いを愛したすべての時間が私には天国だった。
どこにいようとあなたに会いに行くよ。
階級差別や性差別が色濃く残る1999年を舞台に、高校のテコンドー部に所属するジュヨンと少年院の学生イェジの出会いから物語は始まる。演出のハン・ジェイ監督がたまたま読んだ本の一節から着想を得たという、悲観と楽観が混在する作品タイトルのごとく、世紀末の10代の少女たちを取り巻く理不尽な境遇と、それにも関わらず愛することの喜びと美しさを対比させ描く。暴力が当然視されていた時代において、互いに手を取り合いその状況を打破していく少女たちの成長物語でもあり、青春ものであり、ラブストーリーである本作を、『はちどり』のパク・スヨンと「イカゲーム」のイ・ユミ主演2人による瑞々しく繊細な演技がよりドラマチックで美しい物語へと見事昇華させている。
暴力がはびこっていた時代、頼り合うしかない2人の少女
あの頃の自分を思い出し、涙なしには観ることが出来ない、感涙必須のラストシーン
本作は、暴力がはびこっていたミレニアムイヤーを控えた1999年を舞台に、終末論の時代の混乱した空気と、その時代を生きる少女たちの成長物語だ。たとえ天国には行けなくても愛だけは守った少女たちの姿を交わらせている。テコンドーの大会を控えたジュヨンは、コーチのアドバイスで６キロの急な増量をして体重別階級を上げることになり、自分のためだと信じてベストを尽くす。大会当日も「指示を出すまで攻撃するな。戦略だから、とにかく防御しろ」というコーチの言葉を信じる。このままでは勝てないと思ったジュヨンはコーチの指示を無視して攻撃し、一発で相手を倒すが、棄権を宣言したコーチのせいで負けてしまう。試合後、ジュヨンはロッカールームでコーチから暴行を受ける。試合はジュヨンの負けが決まっている八百長だった。明日の見えない、暗く汚れた現実の中で、子供たちは大人たちの保護の手から漏れている。無力なまま投げ込まれた現実の中でできることは、自分たちを自ら愛して守ることだけだ。母親の提案で、イェジ、ソンヒ、そしてミヌと益山(イクサン)へ旅行したジュヨン。そこで初めて愛する気持ちを知り、自分は１人ではないと感じるようになる。短い旅行が終わり、再び戻った現実は少女たちにとって依然として汚らわしくて最悪だ。大人たちの嘘と欲望でいっぱいの現実は、どんどん厳しさを増す。ずっと一緒にいることもできず、ありのままの愛を表現することもできない今、彼女たちは再び追い詰められてしまう。果たして彼女たちが選んだ選択とはー？未来を確信できない終末の時代に、お互いの愛を唯一確信し守ろうとした少女たちの世界に、私たちの純粋で切ない初恋の記憶を呼び起こしてくれるにちがいない。涙なくして観ることが出来ない感涙必須のラストシーンは必見だ。
青春のきらめきと温かさを思い出させる映画『私たちは天国には行けないけど、愛することはできる』は3月14日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開。
監督：ハン・ジェイ 出演：パク・スヨン、イ・ユミ、シン・ギファン、キム・ヒョンモク
2024年／韓国／112分／ビスタ／DCP5.1ch／字幕翻訳：石井絹香／原題：私たちは天国には行けないけど愛することはできる／英題：NO HEAVEN, BUT LOVE／映倫【PG12】区分 ⓒ 2024 SW Content, All Rights Reserved.
配給：クロックワークス https://klockworx.com/movies/heaven/
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