国防部の李相憙(イ・サンヒ)長官は同日に国会で、「1~3段目の弾体がいずれも海上に墜落し、いかなる物体も軌道に進入できなかったものと把握している」と述べた。北朝鮮ロケットの2、3段推進体は日本東側から2100キロメートル以上離れた地点、発射場からは3100キロメートル以上離れた地点に落下したものと推定される。
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ICBMは5500キロメートル以上を飛行しなければならないが、ロケット多段推進体の着弾地点距離を考慮すると、ICBM技術の保有を立証するには不十分だというのが専門家らの見解だ。
さらに、北朝鮮が発射したロケット搭載体の重さが30キログラムほどだったことから、弾頭の重さが500~1000キログラムに達するICBMに転用する場合、その射程距離は一層短くなるほかないという面も、北朝鮮のICBM技術未確保の根拠になり得る。このため、北朝鮮が発射したロケットのレベルが、現在実戦配置中の射程3000キロメートル以上の中距離弾道ミサイル(IRBM)に類似しているとする見方もある。準中距離弾道ミサイル(MRBM)は射程800~2399キロメートル、IRBMは2400~5499キロメートルだ。
特に、2、3段目推進体が分離されないまま墜落した可能性が提起されているのは、弾道ミサイルと人工衛星発射の中核技術のひとつである多段ロケット分離技術に欠陥があったことを示すものだと専門家は見ている。これは2段目推進体を3段目から分離するのに成功した1998年の「テポドン1号」発射時に比べ、技術が後退したものと解釈され得る部分だ。
北朝鮮は1998年8月31日、舞水端里から射程1500~2500キロメートルと推定される3段式ロケット・テポドン1号を発射し、2段目推進体まで分離したが、3段目は軌道進入に失敗し、大気中で燃えてしまったと推定されている。北朝鮮は当時も、弾道ミサイル・人工衛星技術のひとつである多段ロケット技術が相当レベルに達していることを示した。
北朝鮮はその後、衛星を軌道に安着させる3段式ロケットの固体燃料技術の確保に乗り出し、「KN-02」ミサイル開発で小型ロケット用固体燃料技術を獲得した。ただ専門家の相当数は、大型ロケット用の固体燃料はまだ確保できていないものとみている。
今回、北朝鮮が人工衛星の軌道進入に成功したと仮定しても、ICBMの場合は弾頭が大気圏の中に再進入せねばならず、その際に発生する超高熱に耐えられるだけの技術が必要だが、北朝鮮がこれを確保したかどうかも不透明だ。ある軍事専門家は、「ICBMが実際にどれほど飛ぶかはロケットの速度、段階別ロケットの燃焼終了時点などさまざまな変数によって変わってくる」と述べ、克服すべき変数が少なくないと指摘した。
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