チャ・スンウォンは役柄について、「偏屈でおかしくて、でもかっこいい、従来のロマンティックコメディーの主人公のキャラクターを全部ひっくるめたのがゴジン」だと笑った。
ゴジンは何もかもを手にしたトップスターだが、インターネットの書き込みのほんの一言を怖がり、私生活や心の内をかたくなに隠して暮らし、病的なほどにイメージ管理にこだわる。いわば「偽物の人生」を生きている。偏屈で利己的だが、内面には寂しさを抱え、温かい人間味もたたえる彼が、女性視聴者の心をとらえている。「小学生の娘をはじめ、周囲の反応がいいので僕もうれしいです」と、チャ・スンウォン。脚本家が「女性が好きな男」をうまく描写していると評した。
コミカルな演技に定評があるが、単純なコメディ作品なら引き受けない、ここ数年はコメディを意図的に避けているという。今回のドラマは、コメディにロマンスがうまく組み合わされているところに魅力を感じ、出演を決めた。
コン・ヒョジン演じるエジョンも一般的ではないキャラクターだ。2人の役がうまく調和して、作品を輝かせているのだろうと話す。「僕はテクニカルな面を強調する演技、ヒョジンはリアルな演技」だといい、最初は2人がうまく合うだろうかと半信半疑だったが、あまりにも違う演技を見せる2人だからこそ、意外な味を出しているのだろうと分析した。
劇中で描かれる芸能人の姿はどの程度真実かと尋ねると、「5割から6割くらい」と答えた。たくさんの誤解と不信のなかで、たくさんの芸能人がゴジンのように生きている。エジョンのような芸能人の姿も8割は事実だと思うが、皆、夢を実現するため耐えて乗り越えていっているのだろうと話した。
一方、「芸能人も心がある人間なんだということを伝えたかった」というコン・ヒョジン。明るい笑顔の裏側で心を痛めている、そんな姿を描くドラマにしたいと意欲的だ。劇中では旬が過ぎた高感度ゼロの芸能人エジョンだが、実際の視聴者には大人気だ。「とにかくひどい姿を演じてみせようと考えた」という。ダメな姿を見せるほど、愛らしく思えるエジョン。しっかり演じれば視聴者に応援してもらえるはずと確信していた。脚本の力、共演のチャ・スンウォンの演技にも後押しされていると話した。
歌もダンスも苦手なため、ガールズグループ時代のエジョンを演じるのは「恥ずかしくて死にそう」だという。そういうシーンも初回だけだと思っていたら、「毎回回想シーンがあるのでたまりません」と笑う。
ドラマの人気の秘けつについては、「キャスト陣が一瞬たりともじっと座って演じることがないからでは」と分析した。バラエティー番組よりも面白い事件が絶えず発生し、そこにじいんとくる部分がバランスよく加味され、視聴者の共感を呼ぶ。
出演を決めたのは、ドラマが芸能界の華やかさにスポットを当てるのではなく、裏側を描いているからだ。芸能人も人間、たった1行の悪意のある書き込みを恐れている。特に韓国は他国に比べ、芸能人にタブーとされることが多いように思うとも話した。
前作「パスタ」は20~30代に人気だったが、今回のドラマは、ファンの年齢層が低くなったという。「スンウォンさんを見て女子高生たちが黄色い声を上げるんですよ(笑)」。相次ぐ賞賛の言葉に力をもらい、人気に感謝しながらも、エジョンのようにいつ落ちるか分からないこともよく知っているため、「この瞬間をちょっとの間楽しもう」と考え、常に平常心を保つように意識していると、淡々と語った。
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