神奈川大学の尹健次(ユン・ゴンチャ)教授は3日、在日韓国人2世の自身が30代から「在日」というアイデンティティーに悩み、民族や国家、ひいては統一を考えたとしながら、今後は在日韓国人3、4世が日本社会を変えるはずだと強調した。
ユン・ゴン の最新ニュースまとめ
尹教授は4~5日、ソウル大学で韓国学中央研究院などが主催する学会「民族共同体の現実と見通し―分断、ディアスポラ、アイデンティティーの社会史」に出席し、「在日と民族」をテーマに発表を行う。
尹教授は京都生まれで、京都大学を卒業し、東京大学大学院で教育学博士学位を取得。現在は神奈川大に在職しており、ことしはサバティカル(研究などのため7年ごとに与えられる長期有給休暇)を迎え、淑明女子大学で講義を行っている。
在日2世である自身のアイデンティティーについて尹教授は、「日本と朝鮮の境界人」と規定した。また、韓国は現在も分断国であるだけに、18、19世紀に他国が経た民族主義国の段階に達していないと診断した。
そうした点で南北の統一は韓国が世界史で1段階飛躍する基盤だと説明し、南北が対峙(たいじ)している状況で、片方が豊かになったとしても未来の不確実性がなくなることはないと話した。「1度爆発すれば、すべてが水の泡になるのでは。統一なくして朝鮮半島の安全を断言できる人はおらず、費用の負担を理由に統一に反対する人たちは、朝鮮半島の未来の安全という面を真剣に考えてみるべきでしょう」。
続けて、民族意識を利用して自己利益を得ようとする人ほど民族主義を口にすると指摘し、多くの在日韓国人が日本に帰化しなかったのは、とうてい日本人になる覚悟ができなかったためだと分析した。
尹教授は、娘は日本人と結婚したが、今も韓国籍のままだと説明し、「今後3、4世らはアイデンティティーに悩み続け、差別と戦い、多数を変えていく運命であり、それは健康なこと」だと話した。
日本に対する苦言も忘れなかった。「日本は急速な高齢化で人口が減り、国がだめになりつつあるのに、外国人労働者を差別し、外国人妻には同化主義の視角でアプローチしている」と指摘。日本の一部知識人は目を覚ますよう訴えているが、大半は依然としてわかっていないと話した。
また、民主党政権が在日韓国人に地方参政権を付与すると公約したことについても、複数の派閥に分かれているため、議会多数党であっても施行には難関が多く、実現は不透明だとの見解を示し、無知な人があまりにも多いと指摘した。
尹教授は、「韓国は分断国でありながらこれだけ発展した。軍事的対立さえなければ爆発的に発展できる。すべてを捨てる姿勢で、既得権益を手放す覚悟をすれば、より大きいものを得られる」と改めて強調した。
Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0