正統派料理人のソンチャンも乗り越えられない、力のある女性ジャンウンに魅了され出演を決めたが、思った以上に演じるのが大変だったという。ジャンウンは冷静な人物に見えるが、内面はコンプレックスと怒りでいっぱいだ。しかし、映画ではなぜそういう人になったのかは具体的に説明してくれない。そのため、観客からジャンウンに対する「好意」や、彼女の決定に対する「同意」は得にくいだろうと話す。表情や体にジャンウンの怒りや心の傷が現れないように気を付けたため、まるで手足をひもで縛られたまま演じる感じだったという。
また、日本語のせりふも苦労のひとつだった。ジャンウンは日本で10年間暮らして帰国したという設定で、流ちょうな日本語が必須だった。3か月ほど日本語を習ったことはあるものの、日本語のせりふを覚えるのには随分苦労した。
同映画への出演が決まってからは料理教室にも一生懸命に通った。映画のおかげで料理の腕前も大きく上がったという。「食材によって包丁の握り方や切り方が全部違うんですよ(笑)」。
相手役ソンチャンを演じるチン・グとは初めての共演だったが、「動物的」感覚を持った俳優だと高く評価した。キム・ジョンウンがキャラクターになりきるために常に料理のことを考え研究したのに対し、チン・グは最初からソンチャンだった。キム・ジョンウンのように努力しなくても、自然にソンチャンになっていたという。
1994年にドラマでデビューしてから14年。キム・ジョンウンは女優を「危険な職業かもしれない」と言う。感情をコントロールすることが難しいためだ。例えば、明るくふるまっていても内面は暗かったり、強がっていても弱かったりする。ちょうど、一度敏感になった肌が元の状態に戻るのが難しいように、敏感になってしまった感情が鈍くなるのは難しいとし、そうした面で女優は危険な職業だとした。「だから、家族だろうが友だちだろうが、慰めてくれる存在が必ず必要です」。
ことし34歳となった彼女に恋愛問題を切り出した。仕事はもちろん、人間関係も一生懸命に努力すれば良い結果になって返ってくるが、恋だけは思うようにならないとの答え。
一方、次の作品について聞くと、次期作にこだわりはないとした。自分の中にあるもの、自分も知らないものを取り出してくれる監督との作業はいつでも歓迎だ。
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